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2017年06月29日

【ミシシッピアカミミガメを捕獲・解剖してみよう】を開催しました。

みんなのはままつ創造プロジェクト2017採択事業
【とって食べる】 by昆虫食倶楽部

6月18日(日)に
【ミシシッピアカミミガメを捕獲・解剖してみよう】
を開催しました!



会 場:佐鳴湖(捕獲)、高台協働センター(解剖)
参加者:36名(大人25名、小人11名)


5月に開催した外来種シンポジウムをうけて、

今回は実際に佐鳴湖に出かけ、ミシシッピアカミミガメの捕獲、さらには解剖をしてみよう、というのが今回の企画です。

参考:【外来種シンポジウム】を開催しました!



前日に仕掛けたカメ用トラップを見回ります。

今回は
・カニカゴ
・浮島型トラップ
の2種類を仕掛けました。

※「特別採捕許可」をとり、行政とも連携しながら捕獲をしています。


カニカゴ
魚のアラなどを使ってカメを誘引し捕獲します。
完全に水没させてしまうとカメが呼吸が出来ず死んでしまうので、ペットボトルを入れて少し浮かせておきます。


浮島型トラップ
アカミミガメが甲羅干しをする習性を利用したトラップです。






10匹以上入っていたカニカゴ


オスとメスとの見分け方のレクチャー
その他カメの生態について、専門家の方にいろいろと教わりながら捕獲しました。


捕獲したカメは甲長と腹甲長(背中とお腹の甲羅の長さ)を測り、記録しました。

この日捕獲したミシシッピアカミミガメは全部で70匹(!!)


続いて解剖の部へ


まずは外来種に関するミニレクチャー
外来種ってなんなのか、なぜ駆除しないといけないのか、
子供達にも理解しやすいように、わかりやすく解説しました。


外来種駆除に取り組む株式会社自然回復の三根さんによる解剖講座


子供達がどのような反応をするのか、少し心配でしたが、
ご覧の通り、最前列で身を乗り出して見ています。


お腹から出てきた卵や
取り出した後もしばらくの間動き続けている心臓に
興味津々

ホンモノを目の前にすると、
「キモチワルイ」という感情より、生き物の体の内部構造が実際に見られるという知的好奇心の方が大きくなるのだと思います。


猟師 片桐さんによる解体の見学のときもそうでした。
参考:【猟師さんのお話を聞きながらシカ・イノシシを食べる】開催しました!①屠殺・解体編のご報告
(少しインパクトの強い写真が掲載されています)


学校教育の中で、解剖実習が敬遠されたり、やるにしてもイカのような血が出ない生物でやる、という風潮のようですが、やり方次第で子供達に興味、好奇心を持ってもらうことは十分できるのでは、と思います。



教えてもらいながら実際に解剖をしてみます。


子供達もやってみます。


高校の生物部の生徒さん達
とても熱心に細かく解剖していました。


解剖後、内蔵や甲羅などは廃棄しますが、
手足の肉は7/22の【外来種をとって食べる】のイベントの中で、料理して食べます。


今回の解剖で約2.8kg(骨含む)のカメ肉を取り出すことが出来ました。


生物多様性を守るために外来種の駆除は致し方のないこと、
であるならば、せめて最後はおいしく食べてあげたい


カメの場合は可食部が少なく廃棄量も多い(捕獲したすべての個体を食べるのも難しい)ので、それについては肥料化することで少しでも有効活用していきたいです(今後の課題)。


今回、カメの専門家の方々に参加していただきました。

NPO法人生態工房 片岡さん、八木さん
和亀保護の会 西堀さん
株式会社自然回復 三根さん

おかげでとても充実したイベントになりましたし、
私たちスタッフにとっても、とても勉強になりました。
同じような活動をしている方々とつながりを持つことが出来たことも、今後の活動にプラスになります。




次回は【外来種をとって食べる】です。
(定員となりましたので参加申込受付終了です)



↓こちらも読んで下さい
協賛いただいたSaveJapanプロジェクトのページ




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【お問い合わせ先】
昆虫食倶楽部 夏目恵介
電話:090-9900-0928
メール:tottetaberu@gmail.com  


Posted by 昆虫食倶楽部 at 18:00Comments(0)開催したイベントの報告

2017年06月22日

【外来種をとって食べる】開催のお知らせ

みんなのはままつ創造プロジェクト2017採択事業
【とって食べる】 by昆虫食倶楽部


※定員となりましたので参加申込受付を終了いたします。
キャンセル待ちは一度ご相談下さい


【外来種をとって食べる】を開催いたします。


佐鳴湖周辺に生息しているウシガエル、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメなどの外来種をとって食べます。

地域の生態系や生物多様性を脅かしてしまう、ということで駆除対象になっている外来種ですが、それぞれの生物は、その場その場で懸命に生きているだけであり、「悪者」ではありません

生物多様性を維持していくために駆除することは致しかたない、と考えますが、ただ駆除されてしまうだけなのはあまりにも忍びない。
ならばせめておいしく食べてあげたい!


【とって食べる】ことをとおして
外来種問題や生物多様性についてより深く考えるきっかけにもなると思います。

ぜひご参加下さい!


※今回捕獲するのはウシガエルです。
ミシシッピアカミミガメ、アメリカザリガニ等はあらかじめ捕獲しておいたものを料理して食べます。






<日時>
2017年7月22日(土) 9:00~15:00頃 
※少雨決行(中止の場合は7/30(日)に延期となります)


<場所>
採集:佐鳴湖
料理・食事:富塚協働センター


<参加費>
大人:1,000円(会員:500円) 
小人(小中学生):500円(会員:300円) 
未就学児無料 

会員についてはこちらをご覧ください


<定員>
25名程度


<イベント内容>
・佐鳴湖周辺でみんなでウシガエル釣りをします
  ↓
・富塚協働センターへ移動し、みんなで外来種を料理します
  ↓
・みんなでおいしくいただきます
(食べながら身近な自然や食べ物についてお話しましょう)


<持ち物>
・動きやすく汚れてもよい服装
・着替え、タオル(雨具)
・飲み物
・エプロン
・熱中症対策

以下もしあればお持ちください。なくても参加できます。
・つりざお
  ちょい投げ釣り用などどんなものでもよいです
  長めでコシが強い物のほうが扱いやすいです
・水に浮くタイプのルアー
・タモ網
・クーラーボックス
・氷(ウシガエルを氷漬けにして動かないようにします)
・キッチンバサミ(ウシガエルの解体に使います)


※定員となりましたので参加申込受付を終了いたします。
キャンセル待ちは一度ご相談下さい

【申込方法】
①参加者氏名
②電話番号
③メールアドレス
④大人/小人(小中学生) 
⑤参加イベント名(外来種をとって食べる)
を、メールにてご連絡下さい。

メールアドレス:tottetaberu@gmail.com



関連記事
【外来種シンポジウム~外来種って悪者なの?生物多様性ってなに?】

2016年の【外来種をとって食べる】


今回は「SAVE JAPAN プロジェクト」として損保ジャパン日本興亜様から協賛いただき、開催いたします



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【お問い合わせ先】
昆虫食倶楽部 夏目恵介
電話:090-9900-0928
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Posted by 昆虫食倶楽部 at 18:07Comments(0)今後のイベント情報

2017年06月09日

カミツキガメはわるいやつ? (ふしぎびっくり写真えほん) 松沢 陽士 著

みんなのはままつ創造プロジェクト2017採択事業
【とって食べる】 by昆虫食倶楽部

とって食べる関連本のご紹介です。

カミツキガメはわるいやつ?(ふしぎびっくり写真えほん)



「わるもの」として駆除されているカミツキガメにスポットを当てて、外来種問題を問う写真絵本です。

ポイントを押さえた上で、とても分かりやすい文章で書かれています。
親子で読んで欲しい本ですね。


千葉県印旛沼ではカミツキガメがかなり増えてしまっています。
産経ニュース カミツキガメ根絶へ 千葉県が基本戦略 徹底した“ローラー作戦”で捕獲目標は年2500頭以上

昨年は浜松でワニガメが捕獲されましたね。
日テレNEWS24 体長1m…水路に最大級のワニガメ 浜松市


この絵本の最後の文章を引用します。

「カミツキガメのような悲しい生きものをふやさないためのルール。
それはとてもかんたんなことです。
生きものを飼ったら、寿命をむかえるまで大切に、責任をもって世話をすること。
みんなにできる、たったひとつの大切なルールです。」



先日の外来種シンポジウムの中で生態工房の片岡さんがお話されていた環境省が作ったパンフレット

↑クリックすると内容が読めます(環境省のHP)

外来種問題を啓発する目的で作られたもので、内容はとても良いのですが、外来種の顔が「こわもて」「わるもの」風に描かれていてそこが気に入らない、とお話されていました。

確かに「外来種は悪者なんだ」とのイメージになってしまいますね。


それに対して、
片岡さんが監修して作ったアカミミガメのパンフレット

↑クリックすると内容が読めます(環境省のHP)

アカミミガメが「わるもの」にならないように、というこだわりがイラスト、文章にあらわれています。


誰かを悪者にすることはかんたんで、分かりやすいですが、そうならないように十分注意していきたいです。



佐鳴湖周辺に生息しているミシシッピアカミミガメを捕獲し、解剖してみようというイベントを開催します。

2017年6月18日(日)【ミシシッピアカミミガメを捕獲・解剖してみよう】

カメを実際に手に取り、よく観察することで、理解が格段に深まります。

外来種問題のミニレクチャーもあります。

ぜひご参加下さい。




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Posted by 昆虫食倶楽部 at 18:48Comments(0)とる食べ本・番組紹介

2017年06月04日

【ミシシッピアカミミガメを捕獲・解剖してみよう】開催のお知らせ。

みんなのはままつ創造プロジェクト2017採択事業
【とって食べる】 by昆虫食倶楽部


【ミシシッピアカミミガメを捕獲・解剖してみよう】を開催いたします。



各地の川や湖で生息数が増加し、大きな問題となっているミシシッピアカミミガメ
佐鳴湖周辺にも多数生息しています。

そのアカミミガメをカメ用トラップなどを利用して捕獲てみます。
その後、アカミミガメの解剖をしてみます。

自分の手で捕獲し解剖してみることで、カメの生態や体の構造などについてよく理解することが出来ますよ。

外来種問題に関するミニレクチャーもあります。

解剖後のカメの肉は、後日(7/22)のイベントにて料理して食べます。


<日時>
2017年6月18日(日) 9:00~16:00頃


<場所>
捕獲:佐鳴湖
解剖:高台協働センター
集合場所の詳細は参加者へご連絡いたします。


<参加費>
大人:1,000円(会員:500円) 
小人(小中学生):500円(会員:300円) 
未就学児無料 

会員についてはこちらをご覧ください


<定員>
30名程度


<イベント内容>
・佐鳴湖周辺でミシシッピアカミミガメを捕獲します。
  ↓
・高台協働センターへ移動します。
  ↓
・外来種に関するミニレクチャー
  ↓
・ミシシッピアカミミガメを解剖します。
(やりながら身近な自然や食べ物についてお話しましょう)

※今回は食べません


<持ち物>
・お弁当
・飲み物
・厚手のゴム手袋
・動きやすい汚れても良い服装、必要に応じて着替え
・汚れても良いエプロン
・汚れても良いタオル
・帽子、日焼け止め、熱中症対策

(以下はもしあればお持ちください)
・長靴 胴付長靴
・解剖道具(キッチンバサミ)


【申込方法】
①参加者氏名
②電話番号
③メールアドレス
④大人/小人
⑤参加イベント名(カメ捕獲・解剖)
を、メールにてご連絡下さい。

メールアドレス:tottetaberu@gmail.com



関連イベント
外来種シンポジウム
「外来種って悪者なの?生物多様性ってなに?」
こちらもぜひお読みください。


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【お問い合わせ先】
昆虫食倶楽部 夏目恵介
電話:090-9900-0928
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Posted by 昆虫食倶楽部 at 13:47Comments(0)今後のイベント情報

2017年06月04日

【外来種シンポジウム】を開催いたしました!

みんなのはままつ創造プロジェクト2017採択事業
【とって食べる】 by昆虫食倶楽部

5月28日(日)に【外来種シンポジウム〜外来種って悪者なの? 生物多様性ってなに?】を開催しました!




会 場:佐鳴会館会議室
参加者:90名

当日は、とても良い天気のアウトドア日和で、自然好き、生き物好きの人は外遊びをしたい日だったと思いますが、それにもかかわらず、インドアの勉強会に90名もの大勢の方に参加していただきました。

ありがとうございます。
とても嬉しいです。

【とって食べる】の活動を続けている中から、
「自然や生きものっておもしろいな」と思うのと同時に、
「自然や生きものについてもっと深く知りたい」と思うようになりました。
さらに、私たちにさまざまな恵みを与えてくれる自然を持続可能なものにするためにできることがあるならば、積極的に取り組んでいきたい、と思うようになりました。

今回は、様々な利害が絡み合い複雑な問題になっている「外来種問題」について、一度問題を整理しながら、みんなでじっくり考える機会を設けたい、と思いこのシンポジウムを企画しました。



浜松市環境政策課の鈴木良実さん
「浜松市の外来種の現状と取り組み」

浜松市は山、川、海、湖、森林、砂浜…多種多様な自然環境のもと、とても生物多様性が豊富な地域です。

浜松市として、今はアライグマとクリハラリス(タイワンリス)に集中的に取り組んでいるとのこと。

昆虫食倶楽部のミシシッピアカミミガメの取り組みについてもとても注目し、協力してもらっています。



認定NPO法人生態工房の片岡友美さん
「アカミミガメの問題と対策」

生態工房さんは、東京の公園で長年アカミミガメの対策に取り組んでいます。

アカミミガメがなぜこんなにも増えてしまったのか、その歴史的経緯から始まり、
それに伴い、行政はどんな取り組みをしてきたのか、
生態工房としてどんな取り組みをしているのか、
私たちはアカミミガメに対してどのように向き合うのがよいか、

といったことを、実際の取組みに基づき、とてもわかり易くお話していただきました。

改めて経緯を見てみると、アカミミガメがここまで増えてしまって、問題が深刻化してしまった原因は、
需要があるからと安易に持ち込み、大量にばらまいてしまったこと、
ペットとして飼うことに関する知識(かなり大きくなるよ、とか)の不足など、
人間側の問題が改めてうかびあがってきます。

アカミミガメから学んだ私たちはこの「失敗」を繰り返してはいけません。

そして、今現在アカミミガメを飼っていらっしゃる方(相当多いと思われます)は、
今後も末永くかわいがって大切に飼い続けてくださいね。



静大工学部准教授の戸田三津夫さん
「生物多様性とは」

そもそも外来種を駆除することで守るべき「生物多様性」とは一体何なのか

30数億年というとてつもなく長い時間をかけて生態系と生物、生物多様性がかたちづくられてきました。
現在おびただしい数の生物が生存していますが、そのどれもが奇跡の結果生まれてきたものです。

人間もその奇跡(偶然)のうちの一つに過ぎないのですが、
その人間が「外来種問題」を起こし、生物多様性がどんどん失われている状況です。

この問題を考えるときには、まずはそこをしっかりと抑えておきたいです。

その他、生物多様性について、なぜ生物多様性を守らないといけないのか、比喩もまじえながらとてもわかりやすく発表していただきました。


それぞれの登壇者のプレゼンテーション内容は、とてもブログですべてを表すことは出来ませんが、雰囲気だけでも伝わればと思います。




プレゼンテーションのあとに予定していたパネルディスカッションは、残念ながら時間切れでカットとなってしまいました。
アンケートではパネルディスカッションを楽しみにしていたという意見が多かったので、ぜひ改めてその機会を設けたいと思っています。


長年佐鳴湖でカメを含む様々な生物の調査を続けている藤森さん
佐鳴湖周辺にはまだまだ在来のイシガメがたくさん生息しているとのこと。
であるからこそ逆にアカミミガメの対策を速やかに進めていきたいです。


ふじのくに地球環境史ミュージアムの岸本さん
最近「外来種も在来種の仲間に入れてもいいじゃないか」といったような雰囲気が出てきていることを危惧しているとのこと。
このあたりもパネルディスカッションで掘り下げていきたかったです(次回是非やりましょう)


最後に

私たち昆虫食倶楽部は、

外来種は「悪者」ではない。忌み嫌ってもいない。
が、生物多様性を守っていくためには外来種の駆除は進めていかないといけない。

というのが基本的スタンスです。
それが世の中のスタンダードになっていったらいいと思っています。

そしてそれに基づいてこれからも丁寧に活動していきます。

一方で、そうは思っていない方や、「ほんとに駆除してしまっていいのかな」ともやもやしている方がいらっしゃることも承知しています。

また今回のような外来種問題についていっしょに考える機会を作っていきたいと思いますし、

もうひとつは、【とって食べる】のイベントで”食べる”という体験が、考え方が違う人同士をを繋いでいくきっかけになる可能性がある、と期待しているのですが、いかがでしょうか。


↓こちらも読んで下さい
共同主催者のNPO法人浜松NPOネットワークセンターのブログ

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Posted by 昆虫食倶楽部 at 11:25Comments(0)開催したイベントの報告