ガサガサフィールドワークを開催しました ガチ!生物多様性塾2023

昆虫食倶楽部

2023年10月28日 20:25

【ガチ!生物多様性塾】 by 昆虫食倶楽部

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9/3(日)にガサガサフィールドワークを開催しました。


浜松市西区を流れる東神田川でガサガサ(タモ網を使って魚とり)をしながら、川遊びと生物多様性保全の関係について学びます。


最初に、元 水辺を愛する会の中村芳正さんから東神田川の今昔についてお話しいただきました。

水辺を愛する会は、佐鳴湖周辺の水辺で生き物調査や環境保全活動に長年取り組んでこられました。
東神田川は、昔は川の水を農業に使うための堰があったり、支流との出合い(合流地点)に水深が深い場所があったりして、さまざまな種類の環境があり、それにあわせていろいろな生き物が生息していたそうです。
また、たくさんの子どもたちが川に入って遊んでいたとのこと。


すぐに川に入りたい気持ちだったと思いますが、真剣に聞いています。

東神田川は、大雨が降ると水があふれてしまうことがあったことから、治水のための河川改修が行われる事になりました。
治水の観点では、雨水をスムーズに下流まで流すために、川幅を広げ、なるべく真っ直ぐにする、というのが基本方針です。
(最近は治水の観点からも本当にそれがよいのか?と見直しが行われているようですが)

20年ほど前の河川改修のときには、事前に行政から水辺を愛する会に相談があったそうです。

その時、
・川底はコンクリート張りにしないでほしい
・ところどころに水深が深い場所を残しておいてほしい
・地域の人たちが川に入りやすいように階段をつけてほしい
といった要望を出したそうです。

河川改修の前と比べると、川幅は広くなり<きれい>になってしまったが(悪い意味です)、最低限の要望は聞き入れてもらえたとのこと。

日頃から行政と地域住民、団体がコミュニケーションをとれる良い関係をつくっておき、大きな改変がある時には少しでも意見を聞いてもらえるようにすることがとても大事だと思いました。



中村さんは、

「川は使わないといけない。使わなくなって川に入る人がいなくなると、川は荒れてしまう。」

とおっしゃいました。

川での水難事故が相次ぐ昨今。安全はもちろん大事なことです。

が、
川から人を遠ざけることでは問題は解決しないのではないか。
川での事故を減らすためにも、もっと川で遊ぶべきではないか。

実際に川で遊びながら考えてみましょう。


満を持して川へ


ガサガサの部の講師は浜松魚部(ぎょぶ)のキャプテン山内盛二郎さん



タモ網を使って、草の下などをガサガサ


キャプテンのガサガサ
なんか立ち居振る舞い、所作がキマっててかっこいいんですよね


目視でねらうタイプの人


僕(夏目)も、捕まえることよりも、水の中で生き物が生きている様子を眺めることの方が好きかも。





キャプテンからとれた生き物の解説


小学生組は川遊びモードへ(よいことです)


かわいい


これはなんという魚でしょうか?


お昼休み
お弁当後のまったり時間が良い感じ


午後は勉強会
浜松魚部のキャプテン、山内さんのお話を伺います。

キャプテンは小さい頃からずっと遊びとしてガサガサをしてきて、毎日毎日川に通って魚をとっていたとのこと。
それは、浜松魚部として活動するようになった今でも変わらず、魚部も遊びだと思ってやっているそうです。
でも生き物の研究者のなかには同じように、楽しい遊びをずっと続けていたら、その延長上で専門家になっていたという人も多いですよね。

毎日毎日同じようにガサガサをしているからこそ、環境の変化(最近この魚みかけないな、とか)が分かる。

とってきた魚を飼っていると、失敗して死なせてしまうことも多いが、だからこそもっとうまく飼えるように工夫する。

学生をしながら同時に熱帯魚ショップの店長の仕事をやっていた(!)が、その経験から生き物をお金で売買することについて疑問を感じるようになった。

希少になってしまったレアな魚を捕まえるととても嬉しい反面、ガサガサでその魚のすみかを壊してしまったのではないか、と矛盾した気持ちになる。でも、ガサガサしないといるのか、いないのかもわからないし、さらに葛藤する。

遊びでガサガサをやっているけど、自然が豊かじゃないと遊ぶこともできなくなっちゃうんだよ。

などなど、
遊びから始まってきたことはありますが、生物多様性や自然環境の保全に関連する話題がたくさん出てきました。


考える話題を提供していただいたところで、グループワークに入ります。

身のまわりいろいろな場所で飼っている(植えている)生き物について、
・なんで(何の目的で)飼っているのか
・飼うことによる生態系への良い影響
・飼うことによる生態系への悪い影響
について考えてみます。







動物園や水族館などで飼育されている動物についての話

動物園で動物を飼う目的は、「種の保存」「研究」「教育」「鑑賞」の4つがあるとされていますが、
では、その良い影響、悪い影響はなにか。

たとえば、ライオンは野生より動物園にいたほうが、餌が確保されていて怪我をする可能性も低いので、健康的な生活を送ることができて長生きするそうです。
人間は長生きすることは基本的には良いことですが、では、ライオンにとって動物園で長生きすることは良いことなのだろうか。
ライオンにとっての「健康的な生活」とはなんだろうか。

良い影響、悪い影響、はどの立場から見るか、どういう基準で考えるかによって変わってきそうです。


最後に、生き物を飼ううえでもっとも大事なことを共有しました。

生き物を飼うなら最後死ぬまで飼う(事前にしっかり調べる)
絶対に、野外に放さない
もしどうしても飼えなくなってしまったら自ら処分する必要がある
その覚悟を持った人でなければ生き物を飼ってはいけない


とはいえ、上記と矛盾するかもしれませんが、
覚悟とかいうとビビっちゃうかもしれませんが、失敗を恐れずいろいろな生き物の飼育にチャレンジしてほしい、そこからいろいろなものを学んでほしい、とも思います。

参加者ワークシートより


次回は講演会「人と、川・アユの関係をよくするために」です。


ガチ!生物多様性塾2023 開催レポート
おためしガチ塾
土壌動物フィールドワーク
里山フィールドワーク
夜の昆虫観察会
ミシシッピアカミミガメを解剖してみよう
ガサガサフィールドワーク
講演会「人と、川・アユの関係を良くするために」
外来種フィールドワーク
受講生によるプレゼン大会



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